こちらの離島 第二弾「竹富島」

都市の喧騒に包まれて日常生活を送る旅行者にとって、魅力的な滞在先である「離島」。旅の途中で訪れる島々は、観光スポットとなっているのと同時に、地元の方々の生活の場であり、時には希少な動植物の重要な生息地でもあり、さらには領海や排他的経済水域の起点としての機能を担っていることもあります。海という地理的な障壁に隔てられ、1つのシステムとして長い歴史を刻んできた離島は、都市という存在の本来の姿、そして未来への示唆を表しているのかもしれません。シリーズ「こちらの離島」では、そんな離島にスポットを当てていきます。

 

竹富島ってどんな島?

八重山諸島の中心である石垣島の港から西に約6km、周囲9kmの小さな島です。市町村としては竹富町に属します。その竹富町は西表島や波照間島、小浜島など、八重山諸島に属する有人島9つと無人島7つからなる町です。

その竹富町の役場は、石垣市である石垣島にあります。これは、竹富町内の各島を結ぶ航路がほとんどなく、各島と石垣島を結ぶ航路の方が、便数が格段に多いためです。

竹富島へのアクセスとしては、石垣港離島ターミナルから高速船で10分です。この船は日中おおむね30分に1本ほど出ており、比較的容易にアクセスすることができます。

 

島内の交通手段は?

島内にはスポットごとに自転車置場が設けられているので、便利に使うことができます。このため、多くの人がレンタサイクルを借りて、移動しているようです。港から少し離れた集落内に数社のレンタサイクルがあります。そのため、各レンタサイクル業者は、マイクロバスなどで高速船から降りる観光客をピックアップして、レンタサイクルの営業所まで連れて行ってくれます。

しかし、道路は未舗装のものや、舗装されていてもがたがたのものが多いです。ただ、急ぐわけでも、車通りが多いわけでもないので、不便を感じることはありません。

そして自転車にも離島らしさを感じることができるのが、どれも鍵をかけることができないというところです。小さな島では盗む人もいないということなのでしょうか?自転車では海を渡ることはできませんしね。

島の大きさは最初に述べた通り小さいですので、3~4時間あればレンタサイクルでのんびりと島をまわることができます。

自転車以外には、竹富島交通が、高速船の発着に合わせて30分おきに、港、集落、ビーチを結ぶ路線バスのほか、予約しての循環バスや、観光コースをめぐるバスなども走らせています。

さらに、交通機関というわけではありませんが、水牛車で集落をめぐっていくこともできます。

 

みどころは?

一つ目としては、重要伝統的建造物群保存地区です。地区名としては竹富町竹富島、種別としては島の農村集落であり、昭和62年に登録されています。沖縄県内では、初めての重要伝統的建造物群保存地区であり、現在でも沖縄県内に登録されている地区は2つしかありません。(もう一つは渡名喜村渡名喜島です。)

沖縄の古い集落の景観を残し、現在もその美しい姿を見ることができます。低めの石垣に囲まれ、豊かな緑がその内側に植えられ、1階建てで赤瓦ののった伝統的家屋。台風への備えと熱い気候への対応なのでしょう。

これらの集落は、建て替えなどへの厳しい規制、年に2回砂浜の砂を運び、道や庭に敷き詰めることなど、住民の努力によって維持されています。ぜひ住民の方に敬意を払って、見させていただきましょう。

 

二つ目としては、綺麗な自然です。代表的な浜としては、コンドイ浜とカイジ浜があります。泳ぐことができるのはコンドイ浜で、潮流が速く泳ぐことができないカイジ浜は星砂の浜としても知られています。

ビーチの目の前には澄んだ青の海が広がります。あいにく筆者が訪れたのは3月の半ばでまだ泳ぐにも適さず、短い間でしたが雨も少し降ってしまい、竹富島の自然の100%を満喫できたわけではありませんので、是非ともまた訪れたい場所となりました。

 

人が集まって住む集落の内部でも、そのまわりに広がる自然でも、その美しさは、人間が気を遣うことがなくなったり、顧みることがなくなってしまえば、簡単に失われてしまうものだということが実感されます。
これは人が住む場所すべてにあてはまるのではないでしょうか。人の、その住む場所への意識、そのまわりの場所への意識、周囲に住む人への意識、そのようなものが大事なものであるように感じられます。
人が集まって住むということのあり方は、このような小さな島、小さな集落からこそ学ぶことが大きいのかもしれません。
written by 柿生