いよいよ明日から2日間、千葉県千葉市鎌取において「ちば寄り道農園ベジタ」を開催します。この「ベジタ」という野菜収穫体験イベントならびに寄せにわプロジェクトを実施するにあたり、まずは自分たち自身が農業のことを知らなくては話にならないということで、実際に大学の屋上で野菜を育ててみました。今回は約2か月間におよぶ屋上での野菜栽培をレポートしたいと思います。
種植え
大多喜ガスさんの「春のお弁当まつり」に「ちば寄り道農園ベジタ」を出店することが決定したのは1月中旬。最も寒いこの時期に2か月で育つ野菜はそう多くなく、農家の方とも相談しつつサンチュ、ルッコラ、ラディッシュの3種類を栽培することに決定しました。種の植え方や水やりの頻度、間引きの方法などをメンバー全員で確認してから、いざ屋上で種植えを開始。屋上ということで日があたるうちは意外と暖かくTシャツ1枚でも汗ばむほどでしたが、日がかげると吹きすさぶ北風も手伝って極寒地獄です。
日中も10度に届かない環境では芽が出ないため、市販のビニール袋とピンチを使ってお手製ビニールトンネルを作ると、みるみるうちにビニールの中が結露しました。きちんと保温されている証拠です。それでも実際に種が出るまでは不安で仕方がなく、夜も眠れない日々を過ごしました。

芽生え
種植えから2週間たった2月初め、ようやく小さな芽が地上に姿を現しました。待ちに待った芽生えに心が躍り、(我が子が生まれたことはありませんが)我が子が生まれたような感動を覚えました。ただし種植えから芽生えまで2週間。このペースで果たして3月末のイベントに間に合うのか、一抹の不安も頭をよぎります。
よりによって今年は記録的な大寒波が次々と日本列島を襲い、生育不良で野菜価格が高騰していると連日報道されていました。プロの農家が育てる野菜でさえ生育不良では、アマチュアの我々が育てる野菜など育つわけがないのでは?これまで夏よりも冬が好きだった私ですが、生まれて初めて心の底から冬を呪いました。

成長
3月になるとようやく気温も上昇、今度は5月並みという記録的な暖かさがつづくというので、ビニールトンネルを外し虫よけネットに張り替えました。そしてこのころから目に見えて野菜の成長スピードもアップ。折を見て間引きを行いましたが、この間引きした葉も食べることができるのが野菜栽培の醍醐味です。若い葉は非常に柔らかく、サラダとしておいしくいただきました。
その後も葉は順調に大きくなり、ラディッシュの実も土から顔をのぞかせています。ベジタでたくさんの方に収穫し味わってもらうのが楽しみです。

野菜作りからまちづくりへ
野菜栽培は(子育てをしたことはありませんが)子育てに似ており、手をかければかけるだけ野菜そのものはもちろん、一緒に野菜を育てたメンバーや毎日足を運んだ屋上への愛情がわいてきます。この気づかないうちに生まれる愛情こそがまちづくりの鍵を握っていると考え発足したのが寄せにわプロジェクトです。
土地が狭かったり日当たりが悪かったり、栽培環境に恵まれない街角での野菜作りは一筋縄にいくはずもありません。それでも、野菜作りを通じてまちに対する愛情や人と人とのつながりが自然と育っていき、気づくと明日「畑」に行くのが楽しみになっている。そんな暮らしを思い浮かべつつ、日々プロジェクトを前に進めていきたいと思います。